商品使用事例一覧|HプラスBライフサイエンス情報誌 第11号2014年4月発行

便秘傾向を有する脳神経外科疾患患者への
乳果オリゴ糖摂取による排便コントロールへの取り組み


医療法人五星会菊名記念病院
澤田和子看護師、菊地克巳管理栄養士

●本研究の背景

当院は神奈川県横浜市北部に位置し、許可病床数218床、平均在院日数12.6日、年間救急搬送7170台の急性期病院です。

脳神経外科疾患患者は、ICUでの急性期治療ののちに一般病棟へ転棟し、身体機能の回復を目的にリハビリを実施します。これらの患者は、疾患の後遺症による運動障害や意識障害に伴い、活動性の低下から生じる弛緩性便秘となるケースが多くみられます。

便秘は腹部膨満感を引き起こし、ときに腹痛や食欲不振、嘔吐などを引き起こします。また、腹部膨満により経腸栄養剤の増量が困難となったり、食欲不振による低栄養を引き起こす事も問題となります。

当院では従来、腹部レントゲンや看護師によるフィジカルアセスメントの結果をもとに、3日間排便のない患者を便秘と判断して、主治医の指示のもと大腸刺激性下剤を使用していました。

大量の下痢は、看護師の業務負担(頻繁な寝具・寝衣交換)だけでなく、リハビリの中断や下痢による血圧低下、スキントラブルなど患者のQOL低下を引き起こす原因となり解決策を模索していました。


●乳果オリゴ糖への期待

平均在院日数の短い急性期病院での排便コントロールはとかく薬剤に頼るケースが多く、当院も例外ではありませんでした。しかし、薬剤に頼らない排便コントロールが患者のQOL低下を防げるのではないかと考え、栄養科とNSTの協力を得ることになりました。

排便コントロールに使用される機能性食品には、プレバイオティクスやプロバイオティクスがあります。前者は食物繊維やオリゴ糖、後者はビフィズス菌末、ビフィズス菌・乳酸菌飲料及びヨーグルトなどが市販されていますが、プレ・プロバイオティクスの病院食で使用するには、使いやすさのほかに経済性も重視しなければ継続的な使用は困難です。

そこで、比較的安価(1回12円程度)で効果が期待できるオリゴ糖に着目しました。オリゴ糖の効果は、難消化性糖質であるため、小腸で分解されずに大腸に到達し、腸内のプロバイオティクス(善玉菌)に選択的に作用して増殖・定着させ、腸内環境を改善して排便を良好にすると言われています。

すでに、老人保健施設や精神科病棟での先行研究でも、排便コントロールに有効であったと報告されています。そこで、NST運営委員会でオリゴ糖の使用について検討したところ、オリゴ糖のなかでも少量で効果が期待でき、摂取し過ぎても下痢を起こしにくく、安全性が高いと言われている乳果オリゴ糖(Lactsucrose 以下:LS)を選択しました。


●方法

【使用資材】
オリゴワン乳果オリゴシロップ(H+Bライフサイエンス)

【対象者】
便秘傾向の脳神経外科疾患患者10名
(経管栄養6名、経口摂取4名、男性8名、女性2名、平均年齢79.4歳±8.7歳)

【摂取方法】
オリゴワン乳果オリゴシロップ(以下:LSシロップ)1包7g(LSとして3.6g)を1日1回~3回摂取した。
経管栄養の場合は、20~30mlの微温湯に溶解してシリンジで投与し、経口摂取の場合は、牛乳やヨーグルト等の食品に混ぜて摂取又はスプーンから直接経口摂取としました。

【観察期間】
摂取開始前7日間をⅠ期、摂取開始から7日目をⅡ期、摂取開始8日目から14日目をⅢ期と設定。

【評価項目】
排便効果発現までの日数、排便回数、便性状の変化、大腸刺激性下剤の使用量を評価項目として、LSシロップ摂取による排便効果の検証をしました。
なお、便性状の観察や記録については、従来は観察者の感覚で評価・記録していましたが、今回を機に簡便に評価できる「ブリストル便形状スケール」を全病棟へ導入し、評価・記録の統一を図りました。


●結果

図1 乳果オリゴ糖効果発現までの日数

図2 排便回数と下剤使用回数の変化

図3 ブリストル便形状スケールの変化

【Ⅰ期】
便秘と判断された患者に対して就寝前に大腸刺激性下剤を投与し、翌朝に効果がなければ日中も下剤を使用するケースが多く認められました。
便形状は薬剤の影響もあり、大量の水様便(type7)が46%を占めました。
また、自力排便が困難な硬便(type1,2)が25%で、摘便などの看護技術が必要な排泄ケアに傾いていました。

【Ⅱ期】
LSシロップ摂取後、平均4.9日±3.1日で便性が変化し、便臭低減にも効果が現れました。硬便(type1・2)がみられなくなり、普通便(type4・5)が7%から54%に増加。また、下剤の影響による水様便(type7)が2%に減少しました。

【Ⅲ期】
Ⅰ期と比較して、排便延回数が59回から106回と1.8倍に増加し、下剤の使用量は74回から9回と約1/8に減少しました。
便性状は、普通便(type4・5)が65%となりました。しかし、泥状便(type6)も33%の患者にみられ、LSシロップ摂取量の調整が必要と思われました。


●考察

便秘傾向がある脳神経外科疾患患者のLS摂取は、排便回数や便性状の改善および大腸刺激性下剤の使用量の減少に有効でした。大腸刺激性下剤のみに頼らない排便コントロールによって、患者のQOL低下を回避できる可能性が示唆されました。

しかし、泥状便(type6)の患者も見られたことから、LS摂取中は便性状や排便回数などを観察して、LS摂取量の増減が必要と思われました。また、「ブリストル便形状スケール」の導入により、院内での排泄記録の統一が図れました。


●おわりに

排便コントロールは、身体機能の調整に重要な看護です。便秘薬の過度な依存は、便秘と下痢の悪循環によって患者のQOL低下を引き起こしました。
LS摂取により、薬剤に頼ることなく食品での排便コントロールにつながりました。今後は消化器疾患患者、水分制限を強いられている透析患者や高齢患者が多い整形外科患者等、様々な疾患に対する排便コントロールへの応用も検討したいと思います。

商品使用事例一覧TOPに戻る

 

  • H+Bとは
    • H+Bバリュー
    • 会社概要
    • 事業内容
    • 沿革
    • 求人情報
  • タイプ別レシピ
    • ごはんもの/麺/パン
    • あえもの
    • 酢のもの
    • 煮もの
    • 蒸しもの
    • 炒めもの
    • 焼きもの
    • デザート
    • トレハロース
    • おせち料理
    • クリスマスの料理
    • ご愛用者レシピ
  • プロダクト
    • マービー関連商品
    • オリゴ糖
    • プロポリス/サプリメント
    • トレハロース/粉飴
    • 美肌商品/ヘアケア
    • 製品一覧
  • 糖尿病の基礎知識
    • まさか糖尿病?と思ったら
    • 糖尿病の食事療法
    • 糖尿病の食事のポイント
  • 商品仕様一覧
    • マービー関連商品
    • オリゴワン
    • その他食品
    • 化粧品
  • 資料ダウンロード
    • 各種依頼書
    • 資料ダウンロード
  • 商品使用事例一覧
    • 【使用事例1】
    • 【使用事例2】
    • 【使用事例3】
    • 【使用事例4】
    • 【使用事例5】
    • 【使用事例6】
    • 【使用事例7】
    • 【使用事例8】
    • 【使用事例9】
  • 商品勉強会・サンプルセットのご依頼
  • ○トップに戻る
  • 糖尿病の基礎知識
  • 商品使用事例一覧
  • 商品についてよくあるご質問