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Medical food メディカルフーズ
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糖尿病の基礎知識

4.糖尿病の食事のポイント

監修:川崎医療福祉大学 臨床栄養学科 寺本房子 教授

適正なカロリーの中で栄養素のバランスを考えましょう

適正なエネルギーの中で、たんぱく質や脂質、糖質、ビタミン・ミネラルなどの栄養素のバランスを整えます。
具体的には1日3食の食事ごとに、主食(ご飯、パン、麺類)、肉、魚、卵、豆類、野菜類をそろえます。
糖尿病治療のための「食品交換表」を参考に、食品摂取量の目安量を決めると、よりわかりやすいでしょう。こうすることで栄養バランスを整えることができます。
下記の表は、糖尿病食品交換表を使用した食品の選び方の一例です(具体的な内容については、管理栄養士にご相談ください)。

食物繊維を上手に利用しましょう

食物繊維は、血糖値やコレステロールの上昇を抑える働きがあることで知られている栄養素です。
私たちの体内で分泌される消化酵素では分解されない成分ですが、私たちの健康維持に大変重要な役割を果たしていることはよく知られています。
第六の栄養素として1980年代頃から注目され始め、大腸ガンなどの大腸疾患・糖尿病・脂質異常症・高血圧などの改善効果についての研究が進められています。
特に水溶性食物繊維は、腸内細菌に利用され好ましい腸内環境が維持されます。
食物繊維は大きく水溶性と不溶性に分かれますが、いずれも雑穀、野菜、果物に多く含まれます。野菜は1日350g、果物は1日150~200gを目安に、毎日積極的に摂るようにしましょう。

主な食品の食物繊維含有量

※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

食物繊維の特長

保水性

水分を抱え込み容量を増す性質があり、胃や腸の内容物の「かさ」を増やします。

  • 食事の摂取過剰を抑えます。
  • 便のやわらかさを保ち、便量を増やして腸を刺激し排便を促進します。
吸着性

腸の内容物に含まれる不要な物質を吸着する性質があります。

  • 過剰なコレステロール、胆汁酸、イオンなどと結合して、そのまま排泄します。
粘性

水分を吸収して粘性を増し、ゾル(流動性のある軟らかい塊)を形成する性質があります。

  • 粘度が増すにつれて栄養素(糖質、コレステロールなど)の拡散を抑制し、その吸収を緩やかにします。血糖の急激な上昇を防ぐことが、いくつかの食物繊維で確認されています。