2.フレイル健診について
従来の健診とフレイル健診
75歳以上の後期高齢者を対象とした、フレイルの予防・重症化予防に着目した健診、いわゆる「フレイル健診」が、2020年の4月から始まりました。
「6ヵ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか」
「以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか」
といった15項目の質問で構成される「後期高齢者の質問票」が健診に導入されています。高齢者(とくに後期高齢者)は複数の疾患をもつほか、フレイルやサルコペニア、認知症なども進行しやすく、ガイドライン(高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版(厚生労働省))ではこうした高齢者の特性をふまえた保健事業を実施することを求めています。
従来の特定健診(40~74歳が対象)の「標準的な質問票」は、メタボリックシンドローム対策に着目した質問項目が設定されており、高齢者の特性を把握するものとしては十分ではありませんでした。
後期高齢者の質問票
「後期高齢者の質問票」は、フレイルなど高齢者の特性をふまえて健康状態を総合的に把握するという目的から、以下の10類型を示しています。
- 1.健康状態
- 2.心の健康状態
- 3.食習慣
- 4.口腔機能
- 5.体重変化
- 6.運動・転倒
- 7.認知機能
- 8.喫煙
- 9.社会参加
- 10.ソーシャル
サポート
さらに、これまでのエビデンスや保健事業の実際、回答高齢者の負担を考慮し、15項目の質問で構成されています。
<出展元>
高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000204952_00001.html
後期高齢者の質問票の解説と留意事項(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000557576.pdf